宮之浦岳 登頂に失敗しないための5つのポイント

ポイント1 屋久島への交通手段(島に入れば半分成功?)

 屋久島への交通手段を運行安定度の高い方から並べると、フェリー>高速船>航空機、というのが一般論のようです。
 ただし、例えば遠くに台風があって波のうねりが高く船の方が欠航リスクが高まるようなケースもあり、常に当てはまるとは限りません。
 空から入る場合、プロペラ機の有視界飛行ですのでジェット機に比べると欠航の確率が高くなりますが、鹿児島まで飛行機で来る場合、鹿児島空港から鹿児島港までの移動を省略できるメリットは大きいです。
 屋久島へのアクセスについてインターネットで検索すると、詳細に説明しているサイトが見つかりますので、調べてみることをお奨めします。到着地(屋久島空港・宮之浦港・安房港)が変わると、レンタカー予約店舗・宿など芋づる式に影響が及びますので、よく検討しましょう。

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ATRターボプロップ機

 私の場合は羽田空港から鹿児島空港へ飛び、ここでプロペラ機に乗り替えました。天候は良好で予定どおり屋久島に到着と思いきや、搭乗完了後「空調トラブルのため離陸を見合わせる」とのアナウンス。結局機材交換により屋久島に2時間程度遅れて到着しました。トラブルを起こした飛行機には、蛇腹のようなダクトで外気を送入しました(写真参照)。この機械がなければ機内の換気ができなかったので、コロナ禍中は重要度の高い設備ですね。

ポイント2 食料調達(島内にコンビニなし)

 隣の種子島にはコンビニがあるのに屋久島にはありませんでした。したがって深夜早朝の買い物ができないのです。そこで発達したのが弁当の深夜配達システム
 私の場合、安房地区を滞在中のベースとしたので、「あさひ弁当」に「竹皮包弁当」を2食分注文しました(残った竹皮はゴミとして持ち帰る際に嵩張らないので便利)。おかずを朝食用と昼食用で変えてくれる配慮が嬉しかったです。午前2時頃までに宿に配達してくれるので早朝出発にも間に合います。配達エリアには制限があります(宿に問い合わせれば配達対象か判ると思います)。店に寄ってピックアップすることも可能です。
 買い物は安房にあるA-COOP鹿児島 安房店が夜8時まで(当時)開いていて便利です。鮮魚売場の「トビウオの刺身」はすこぶる美味でした! 屋久島はトビウオ漁が盛んです。トビウオといえば「あごだし」。うまみ成分が詰まっているのだから美味しくて当たり前ですね。お薦めでーす。

ポイント3 気象(月に35日雨)

 作家林芙美子が「屋久島は月のうち35日は雨」と形容したとおり雨の多い島です。黒潮の真っただ中に標高2000m近い宮ノ浦岳はじめ取り巻きの山々が急峻にそびえる洋上アルプスですから当然です。
 屋久島では歩行時間も長くなりがちなので、快適な雨具は必須装備です。

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 屋久島は花崗岩の山です。一枚岩状の上を歩く所も多く、濡れていると急坂でなくても滑りやすいものです。他の山以上にスリップに注意しましょう。滑落すると大事に至る所もありますので慎重に通過しましょう。
 
 登山装備は現地レンタル店で借りることも可能です(安房地区なら山岳太郎など)。

ポイント4 登山コースと宿

 コロナ流行度合の影響を受けると思います。屋久島観光協会のホームページで日帰り登山が推奨されているか等最新情報をチェックしてみてください。屋久島の山小屋は無人の避難小屋で、風雨や寒さから登山者を守るよう窓が小さい構造になっていて換気が悪いので、コロナ対策の一環として宿泊を避けるよう、私の登山当時要請されていました。
 日帰りの場合、コースタイムが一番短いのは淀川登山口からの往復ですが、それでも行程が長い(注)ので早朝出発がお奨めです。その場合は安房地区をベースとするのが便利です。
 暗がりを歩く場合、明るいヘッドランプが必須装備です。

 前項で記したとおり雨の日が多いので、予備日を含め余裕のあるプランを立てることが重要です。私が登山した10月は、日の出から日没までの時間が本州に比べ長いです。インターネットで日付・地域別に日の出日の入時刻を検索できますので、事前に調べていきましょう。

(注)淀川登山口~宮ノ浦岳間の標準コースタイムは、登り約5時間、下り約4時間半。黒味岳に寄る場合は分岐からの往復約1時間が追加となる(昭文社発行登山地図による)。

ポイント5 島内の交通手段

永田集落から仰ぎ見る永田岳

 レンタカーは便利ですが登山口駐車場のキャパを事前調査しておく必要があります(淀川登山口の駐車場は小さく早朝に埋まる心配あり 屋久島観光協会HPでは8台と記載)。空港周囲に事務所があるのはタイムズカーレンタル、日産レンタカー、まつばんだレンタカー等ですが、多くのレンタカー会社が空港まで送迎してくれます。
 タクシーは駐車場のキャパを気にせず済む点が安心です。
 白谷雲水峡から入山するなら乗合バスも利用できます。

トローキの滝

 道草する予定があるならレンタカーが断然便利です。私は屋久島到着の翌日に宮ノ浦岳に登頂できたので、その翌日は島一周ドライブをしました。宮ノ浦岳は海岸部のどの人里からも見えない山ですが、永田集落から見上げる永田岳が絵になっていました。海岸に直接注ぐトローキの滝、噴煙を上げる口永良部島、道を塞ぐヤクシマサル(屋久猿)の群れ等も印象に残っています。

(注)以上は2021年10月時点の状況に基づく記述です