屋久杉
屋久杉と呼ばれるのは樹齢千年以上の木
屋久杉を見るために島を訪れる人は多く、荒川登山口から往復一日がかりで歩かなければ見ることのできない縄文杉(島中央部)が代表的存在です。新型コロナウィルス感染症が流行する前、ビーク時には登山者が列をなして向かったという話を聞きました。
他にも弥生杉(白谷雲水峡)、紀元杉(ヤクスギランド付近)等、年代を感じさせる名前のついた木がたくさんあります。
屋久杉と呼ばれるのは樹齢千年以上のもので、それ以外は小杉と呼ばれます。何百年も風雨に耐えてきたのに、小杉扱いは可哀そうですね。
アメリカ人植物学博士の名を冠したウィルソン株(島中央部)も有名です。株というのは切株のことで、切り倒された幹は豊臣秀吉に献上されたのだそうです。四百年以上も前に伐採された切株が残っているというのは驚異です。
ウィルソン株の実物大模型が宮之浦の屋久島環境文化村センター近くの公園に設置されているので、本物を見に行けない方にも規模感(切株の中の空洞が広さ10畳程度)を感じ取っていただくことができます。
屋久杉は年輪が密で樹脂分が多いので、土に埋まった倒木や切株でも腐りにくいのが特徴です。年輪が密なのは、栄養分に乏しい花崗岩土壌の上でゆっくり育つため。樹脂分が多いのは、大量の降雨から身を守るために樹脂を蓄えたためです。
屋久島が1993年に白神山地とともに日本初の世界自然遺産として登録されてから屋久杉の伐採を制限する動きが強まり、2001年には禁止されました。現在屋久杉の木工品として販売されている物は、倒木や切株等を利用して加工したものです。お土産としてお盆を買って帰りましたが、土に埋まっていたとはとても思えないような艶があります。
屋久杉を見て回る周遊コースとしてお奨めなのが、ヤクスギランドと白谷雲水峡です。時間をあまり割けないけど屋久杉を多めに見たいという方にはヤクスギランドの方を奨めます。