#96剣山
うだつの語源を知る
貞光の街から登山口の見ノ越に向かう道は狭くて曲がりくねっており距離も長く、剣山登山の中で一番気をつけるべきところでした。登山口の駐車場は、建物の下にとめられる区画があり、当日は雨天だったので濡れずに支度ができ、ありがたかったです。
登山口から山頂への標高差は500m程度で、中腹までリフトに乗ると歩く標高差は200m程度になるので、足腰に自信のない方でも挑戦できる山です。
リフトを横目に歩き始め、雨が強いので写真も撮らずに頂上に向かいました。雨と霧で視界は悪く、眺望をあきらめて早々に山頂を去りました。
帰路は南側の鞍部に下ってから見ノ越に向かい、若干ながら周遊気分を味わうことができました。
午前中に下山したので時間が十分余りましたが、雨天のため、見ノ越から少し下った所にある今夜の宿「ラ・フォーレつるぎ山」に向かいました。チェックインまで周囲で時間つぶしをするつもりでしたが、宿の主人から「部屋に入れますよーお風呂もどうぞー」と嬉しい配慮をいただきました。
他の宿泊客は、悪天候の平日でもあり、フランスから来て四国一周自転車旅をしているという男性のみ。夕食時には、宿の主人がスマホの翻訳アプリをフル活用してフランス人と会話し、楽しいひとときになりました。ボリュームたっぷりの鍋とお酒で暖まり、次の石鎚登山に備えてゆっくり休みました。(2019年10月中旬登頂)
翌日、貞光に立ち寄り街並見学をしました。このエリアは江戸時代以降、藍や繭を吉野川の舟運を利用して出荷するための積出港として栄えました。財力を得た商家は、建物両脇に「うだつ」(卯建)と呼ばれる「瓦屋根付きの袖壁」を備えた家を建てました。袖壁はもともと防火目的だったのですが、装飾性が強くなり、建設コストもかかることから、次第に富と成功の象徴となっていきました。穴吹近くの脇町が有名ですが、貞光の「うだつ」は、更にエスカレートして二層式になっています。
「うだつが上がらない」という言葉はよく聞きますが、語源がここにあるとは知りませんでした。