トムラウシ ナキウサギの山
短縮登山口からでも日帰り往復は長時間行程となるため、早朝に出発しました。
南沼の幕営地でゆっくり一泊する登山者も多く見かけました。
カムイ天上、コマドリ沢雪渓、前トム平、トムラウシ公園をへて南沼に上がり、そこで右へ折れて登りトムラウシ山頂に至りました。山頂付近のガレ場でナキウサギを探したのですが、見つけることはできませんでした。
下山途中も、ナキウサギを探しつつ南沼におりましたが、会えずじまいでした。
南沼は携帯トイレブースのある幕営指定地です。
ここで問題発生。幕営地を一周する周遊路があり、南沼幕営地におりてすぐ左方向に折れれば間違えなかったものを、周遊路を反時計周りに道草したところ、一つ手前の下山路に入ってしまったようです。
歩きながら、「登りの時に見た景色と違う」気がして疑いながら歩いていくと、オプタテシケ山方面への道を降りていることが判明しました。
幸い早く気がついたので、最小限の時間ロスにとどめることができ、大事に至らずにすみました。
注意力不足を反省すべき一日でした。同じ道を帰る安心感から油断があったと思います。
ナキウサギ 声帯のあるウサギ
ナキウサギは北半球の寒冷地を中心に分布し、日本では北海道の高山にエゾナキウサギが生息しています。
ガレ場を好みますので、トムラウシでは山頂付近のほか、前トム平の下あたりで見られます。
一般のウサギは、声帯が退化してなくなったため声を出すことはありません(空気の流れを利用して音を出すことはできます)。
ウサギは食物連鎖の底辺にいて声を出すことにより捕食されるリスクが高まるため、このような進化を遂げたとされます。仲間に危険を知らせる代替手段として、足で地面を叩いて、その振動と音でコミュニケーションをとっています。
これに対し、ナキウサギは岩場に棲むため、地面を叩く手段は有効ではありません。声で仲間と連絡を取り合ってきたため、声帯が退化しなかったのでしょう。
ナキウサギは250万年前の氷河期(マンモスの時代)からの生き残りです。従って、寒さに強いため冬眠する必要もなく厳冬期でも活動します。
翌日はパンクで時間ロス ダート道走行に注意
短縮登山口まで車で上がるためには未舗装路を走る必要があるのですが、ダート道は舗装路に比べてパンクする確率が高くなります。ラジアルタイヤは空気がすぐに抜けないこともあり、翌日高速道路を移動中にパーキングエリアでパンクに気が付きました。高速走行中に空気が急に抜けるとスピンしかねないので、ラッキーだったと胸をなでおろしました。
マイカーでスペアタイヤを積んでおり、タイヤ交換も普段自分でやって慣れていたので、最小限のタイムロスで済みました。
最近の車はスペアタイヤなしのものもあり、応急修理キットを使ったことのない人も多いと思います。万が一パンクした場合の処置も想定して出かけることが重要です。
(2019年7月登頂、日本百名山90座目)