ヒグマの脅威

 かってヒグマの剥製を登別駅で見たとき、こんなのに襲われたら勝ち目はないと思いました。

bear noboribetsu
登別駅のヒグマ剥製

 94座目の幌尻岳登山を前に、ヒグマ情報に関心を持って接していると、2019年7月、日高のカムイエクウチカウシ山(通称カムエク)で登山者が2人続けて被害に遭ったとのニュースを知りました。登山直前の9月にも、幌尻岳登山口周辺で牛がヒグマに襲われる事件が続発しました。

 ヒグマによる大惨事として記憶に残るのが、1970年にカムエクで起きた、福岡大学ワンダーフォーゲル同好会5人パーティーのうち3人が犠牲になった事件です。リュックサックをヒグマから取り返したことを機に対立抗争のようになり、3日間の壮絶な闘いになったと言われています。

 熊対策として、最も基本と言われているのが熊鈴等音の出るものを利用して、人間の存在を熊に知らせることとされています。熊は基本的に憶病な動物なので、先方から遠ざかっていくといわれます。

 人を恐れない個体が発生することを避けるため、人間の食料の味を熊が覚えないよう注意することも重要です。調理時に臭いの発生を極力抑え残飯を放置しないよう求められているほか、ザックを登山路に放置して山頂ピストンする等、熊がザック内の食料を漁る機会を与えることはNGとされています。羅臼平幕営地のように鋼鉄製フードロッカーのある幕営地では、食料全部をその中に収容するよう注意書きが掲示されていますが、他の山への普及はまだのようです。

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 熊に遭遇した際の対処法は、経験したことのない私が記すと的外れになるおそれがありますので、専門サイトを参照ください。

 2019年7月に北海道4座を回った際、熊対策用の唐辛子スプレーを持って歩きました。フェリーで北海道入りしたため持参可能でしたが、航空機に持ち込むことはできません。使用経験がないので効果について語る資格はありませんが、自分が風上にいるケース以外で熊の顔にうまく命中させることができるか等不確実性も残ります。熊の風下側にいる場合は自分を攻撃してしまう可能性があります。

 参考に、斜里岳登山情報へのリンクをはります。スクロールしていくとヒグマ対策のページがあります。