#87座目 開聞岳

渦巻のように登る珍しい山

 前日は、韓国岳登山のあと、鹿児島市内に移動してビジネスホテルに泊まりました。
 朝食や夕食の時間に左右されずに行動できるので、ビジネスホテルをよく利用します。しかし都市部にしかないので、いつも利用できるとは限りません。
 むしろ時間が許すなら、食事付の宿に泊まって、その地ならではの食をお酒とともに味わいたいというのが本心です。

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開聞岳(航空機から窓越しに撮影)

 開聞岳はユニークな形の山で、深田久弥が「完璧な円錐形」と形容したとおりです。海中に乗りだした卓抜な構造も勘案して、標高千メートルに満たないながら、躊躇なく百名山に選んだと記しています。

 登山当日、早朝に鹿児島を出発し山麓公園の登山口から出発。
 登山コースは珍しい形状で、時計回りに螺旋状に登っていきます。円錐形の山で沢が殆どないため、このような登山路を作ることができたとのことです。

 昨日と違い快晴の天気に恵まれ、高度を稼いでいきます。螺旋状に登るので傾斜が一定範囲に収まっていて、他の山にない歩きやすさがあります。登るにつれ眺望も開け、海や湖など下界の景色を楽しみながら進みます。

 山頂には、天皇陛下が皇太子時代に登山された記念碑がありました。

 下山は、来た道を今度は反時計周りに降ります。
 登山口に下り開聞岳を改めて仰ぎ見ると、円錐形ながら山頂部の傾斜が急であることに気づきました。実はこの山、玄武岩の山の頂上部分に安山岩の溶岩ドームが乗っている構造なのだそうです。

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登山口から仰ぎ見る開聞岳

 そのあとは、今晩泊る宿に向けて長距離ドライブが待っていました。明日登る祖母山のできるだけ近くまで行程を進めたいと、阿蘇に宿を予約していました。宿への到着は夕食時間に食い込んでしまいましたが、食事とお酒を楽しむことができ、温泉に浸かって、明日に備えて休みました。

 登山に関する反省点は特にありませんが、開聞岳は薩摩半島の南端近くにあり登山口までの移動に時間を要するため、余裕をもった計画を立てるよう奨めます。

(2019年6月登頂)