#88座目 祖母山
周遊して同じ登山口に戻れるうれしい山
登山当日の朝は阿蘇の宿から出発したのですが、北谷登山口は阿蘇側なので、思ったより近かったです。
登山口では、登山者のほかに渓流釣りの人も見かけました。これは珍しい光景でした。
車を登山口にとめて入山すると、通常ピストンになりがちで、同じ道を戻る安心感がある一方単調になりやすいものです。今日は周遊して同じ登山口に戻れるので、違う風景を見ながら歩けるメリットがあります。
反対側(東側)の尾平登山口からでも周遊が可能なので、嬉しい山です。
祖母山はかって九州本土で一番高い山とされていました。明治時代に標高1900m程度と見積もられていたからです。日本近代登山の父と称されるウェストンも1890年祖母山に登りました。
その後測量技術が発達し、その地位を九重山の中岳に譲りました。
北谷から登ると、祖母山とのほぼ中間地点に三県境(宮崎・熊本・大分)があります。そこから東に進み国観峠に上がりました。峠といっても開けた平らな場所です。
山頂に着くと、すばらしい展望というご褒美が待っていました。
下山は風穴回りのルートで降り、北谷登山口に戻りました。
なお、風穴は専用装備を持っている人以外は入らない方がよいとのことです。
祖母山は古生層の山で森林に覆われているので、少なくとも私の通ったコースではミヤマキリシマの群落は見られませんでした。山頂でお目にかかることができましたが、群落というほどのものではありません。
原著「日本百名山」で、霧島山と祖母山については、天孫降臨の話題に紙面を割いています。神話の世界ですが、天照大神の孫(天孫)が降り立ったのは、霧島の高千穂か、祖母山の近くの高千穂か、深田久弥が両山に登った太平洋戦争前の時代には、論争が盛んだったようです。
(2019年6月登頂)