#71座目 十勝岳

死の山の様相 噴火の爪痕

 北海道まで行って一つの山しか登らないのは、経済的にも時間的にも非効率と思いつつも、十勝岳を目指しました。

 登山前日は朝一番の東北新幹線で新青森へ。特急スーパー白鳥に乗り換えて青函トンネルをくぐって函館へ。ここから特急スーパー北斗で登別に向かいました。
(注:2016年3月の新函館北斗駅開業に伴い現在は道内に直通で入れます)
 何故登別なのか? レンタカー会社の店舗営業時間との関係です。札幌まで行っても大丈夫と思いますが、列車が遅れた場合のことも考えて安全策をとりました。明日早朝から活動するために本日中に借りておく必要があったからです。

 登別駅を降りると、巨大なヒグマの剥製にびっくり。登別クマ牧場で飼われていたケイ太という雄だそうです。こんなのに山中で出会ったら勝ち目はないと思いました。
 ここからレンタカーで旭川まで走れば本日の行程は終了です。食事時間の制約を受けないようビジネスホテルに泊まりました。

tokachi monotone
荒寥とした世界


 登山当日は、旭川市内から約50kmの距離にある望岳台登山口の駐車場に車をとめ、山頂ピストンです(登山地図の標準コースタイムは登り約4時間下り約3時間)。避難小屋を過ぎると火山の雰囲気が濃くなりました。黒と灰色のモノトーンの世界です。十勝岳は過去100年間だけでも、1926年と1962年の2回の爆発、1988年の小規模噴火と活動が活発です。植生は破壊されたままで草木も生えていない状況です。視界を遮るものが全くないので、いきなりヒグマと遭遇というリスクがない点では安心です。

 山頂近くに来るといくつもの火口や噴煙を目の当たりにすることができ、火山ムードが更に高まります。

 山頂では全周囲の眺望に恵まれました。

tokachi peak view
十勝岳山頂からの眺望

 下山は来た道を戻ります。同じような景色が続くので、ガスに巻かれた場合は迷いやすいので注意が必要です。
 本日の宿泊先は十勝岳温泉。風呂からも十勝連峰を眺めることができ最高でした。

 新幹線の威力は抜群です。飛行機の欠航リスクに比べ運行の安定度が高いので、計画を立てやすいというメリットもあります。

(2014年8月下旬登頂)