夏山シーズン前に装備点検!

主要装備をチェックしましょう

 梅雨明け10日間は天候が安定するというのが、これまでの常識でした。
 ところが2022年は、6月中に異例の早さで梅雨明けした地方も多かったのですが、その後台風が来たりして、いつもの夏と違うパターンのようです。

 夏山シーズン入りに当たって装備の点検は欠かせません。
 私なりに、主要装備についてのチェック項目を記したいと思います。

登山靴

 自動車のタイヤと同じように、登山者は靴底に安全を託していると言っても過言ではありません。
 靴底の擦減り具合をチェックしましょう。長く使ったものは、靴底の剥がれるリスクもあります。車の中に置きっぱなしにしている靴も同様です。
 すり減った場合、ビブラムソールのような張替可能なものは張替を、そうでない場合は思い切って新調を検討しましょう。

 靴紐は化学繊維の物が主流となり、丈夫で切れにくいですが、予備があると安心です。昔は材質が木綿で、ほどけにくい点が好きでしたが、古くなると切れやすくなり、靴紐予備は必須装備でした。

リュックサック

 半世紀前は、キスリングという横幅が広く肩ベルトで荷重を受けとめるものが主流でした。ザック麻痺に悩まされました。
 今は腰ベルト付リュックで骨盤で背負うタイプが主流です。骨盤で重量を受け止めるためには、自身の背中の長さとリュックの背面長が合っていることが重要です。
 これから調達する場合は、背中の長さに合わせたリュックを選んでくれる店でアドバイスしてもらいましょう。軽量化第一で作られたものもありますが、ショルダーベルトと腰ベルトのしっかりしたものをお薦めします。

 レインカバーも必須装備です。更にリュックの中の衣類をビニール袋に入れて、二重の濡れ防止策をとると安心です。

登山ストック

 登りと下りで長さを変えられるよう、長さ調節式のものがお薦めです。
 カーボン素材でも劣化しますので、継ぎ目部分等の隠れた所もチェックしましょう。
 長さ調節式のものは、締付強度を調整しましょう。急な下りの場所などでストックに体重を預けたくなるような局面がありますが、この時にストックが縮むと大事故の元です。自戒を込めているのですが、ストックに体重を預けるのは危険ですのでやめましょう
 最近は植物保護のために、石突にキャップをするよう求められています。従来型のキャップは歩行中に抜けやすいものです。キャップの抜けにくいタイプのものがありますので、これから調達する方は、このような物がよいと思います。

ヘッドランプ

 夏は日が長いのですが、万一日没までに歩き切らなかった場合、早朝出発時、山小屋の消灯後の手元の灯り等として、ヘッドランプは欠かせません。日帰りの場合でも必須装備です。
 従来の製品は乾電池式が主流で、この場合は替電池も必要です。
 最近はUSB充電式等、便利なものが発売されています。
 値が張ってもヨーロッパ製のものが優れているようです。

 私はこれまで、「CR2」という変形電池を使用する国産ヘッドランプを使用してきました。2021年10月宮之浦岳に淀川登山口から日帰りした際、夜明け前に歩いたのですが、その時の暗さが危険と感じたので、ドイツ製のものに買い替えました。
 乾電池型のリチウムイオン電池にUSBから充電するタイプです。重さは同程度ですが、明るさは「比べるのも愚か」といった感じです。広角と望遠の調整ができるほか、赤ランプモードもある優れものです。
 ただし取扱い説明書が日本語ではないので、絵を見ながら理解する必要があります。

雨具

 体を濡らすと低体温症になりかねないので、雨具は必須かつ重要アイテムです。透湿防水メンブレンとしてゴアテックスが定番ですが、最近はそれに伍する素材が出ていますので、専門店で話を聞いてみる価値があります。

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