#59座目 富士山
遠くから眺める山と思ってきたが・・・
富士山への登山者は、ご来光を軸に計画を組む方が多いように思えます。ご来光の心洗われる神々しさを知っていますので、もっともと思います。しかし初めて富士山に挑戦する方が失敗せず登頂するためには、高山病対策を第一に考えるべきというのが私の意見です。ポイントは、五合目まで乗物で上がってきた場合、その日は頑張りすぎず、高度に順応するための時間を取ることです。
富士山は、日本一均整の取れた山である一方、ゴミ等の環境問題を抱えていましたので、私は遠くから眺める山と長らく思ってきました。登るきっかけとなったのが、世界遺産登録の可能性が高まってきたことです。登録後は入山者が増加すると思い、人混みの嫌いな私としては、登録前に登っておきたいと思うようになったわけです。
計画を立てるにあたり、富士山の標高は日本アルプスより500m以上高いので、高山病対策を第一に考えました。具体的には、初日は登山口入りだけにしたことです。河口湖口五合目にあるレストハウス2階の宿泊施設に泊りました。
翌朝は3時半頃出発。6合目あたりで、早くも高山病で具合の悪くなった人が道端でうずくまっています。7合目でご来光を迎えました。富士山は標高が高いので、途中でのご来光も立派なものです。
ここから先は傾斜も急で、「歩みをとめなければいつか着く」という気持ちで進みます。
吉田口頂上からは、山中湖や河口湖を箱庭のように見下ろすことができました。
ここからお鉢回りです。日本最高地点の剣が峰では、標識と一緒に写真を撮る人が列をなしていて、30分以上待ちました。
吉田口頂上に戻り下山コースに入ります。砂地のため滑りながら降りていくような感じで、スピードが出やすいので要注意です。6合目で登りコースと合流したあとは来た道を戻りました。
なお、富士山をめざす方も周囲にお住まいの方も、2021年3月に改訂された「富士山ハザードマップ」に目を通されるよう、おすすめします。
(2012年8月下旬登頂)