#52座目 御嶽
犠牲者を悼む
この山を語る時、2014年9月27日突然の噴火で犠牲になられた方々のご冥福を祈らずにはいられません。私が登ったのは2011年8月ですが、約3年の差は宇宙137億年・地球46億年の歴史の中では瞬き程度の時間にすぎないので、運が良かったとしか言いようがありません。噴火予知の難しさを理解しつつも、一歩でも前進するよう願っています。
前日は木曽福島駅からバスで田の原山荘入りし宿泊。当日は早朝出発です。最初は平坦に近いのですが、次第に傾斜を増し急登になってきます。森林限界を越え八合目石室を経て、まず王滝頂上に登ります。ここから最高峰剣ヶ峰へは名目標高差130m程度ですが、一度下ってから登り返すので、最後の石段は空気が薄いこともあり心臓破りでした。
ここから飛騨頂上へは、二ノ池・三ノ池等を眺めながらの天上のプロムナードです。
飛騨頂上から飛騨道を一気に下り、湯の花峠をへて濁河温泉に昼過ぎに着き、投宿しました。
ここの宿は天体観測に力を入れていて、星空観察を楽しみにしていたのですが、スケールの大きな御岳を一日で登って降りたため、夕食後はバッタンキューでした。翌朝宿の売店で、星空観察用の本等をお土産に買って帰りました。
濁河温泉からバスで木曽福島駅に出て、塩尻で中央東線に乗りかえてゴ―ホームですが、途中で道草です。
塩尻ワイン
塩尻での乗り換えついでにワイナリー見学をしてみました。
関東甲信越地方では、山梨県の勝沼がブドウ栽培の好適地として知られてきましたが、地球温暖化の影響で長野県の塩尻にその座を譲りつつあるとの話を聞いたことがあり、以前から塩尻ワインに興味を抱いていました。
ブドウの栽培方法について、ヨーロッパでは垣根栽培が一般的ですが、これは空気が乾燥しているから可能な方法で、日本でこれを採用するとブドウが湿気にやられて病気になってしまいます。
そこで日本では、棚栽培にしてブドウの房を地面から離すようにしているわけです。
しかしここ塩尻で、試験的に垣根栽培に取り組んでいる姿を見ることができました。
この取り組みが成功して栽培方法の多様化につながるよう祈念しています。
(2011年8月中旬登頂)