大菩薩岳

再度の訪問で時代の変遷を感じた山

 関東地方に住む私にとって、この山の良いところは次のとおりです。
①中央高速道から登山口へのアクセスがよいので思い立ってぶらっと来ることも可能
②富士山の展望台である
③道草オプションが豊富
 (例)秋なら青梅街道の奥多摩湖~柳沢峠の原生林の紅葉が見事なのでドライブにおすすめ

 大菩薩は学生時代に一度登っているのですが、2019年8月に再訪問したので、こちらの山行について記します。幌尻岳(2019年9月)を控えて、直前にできるだけトレーニング山行を重ねることが今回の主目的です。

 学生の時は裂石の登山口までバスで来て登り始めたのですが、今回は上日川峠の駐車場に車をとめて出発です。まず車道を歩き、福ちゃん荘から登山道に入ります。カラマツ尾根を大菩薩岳(嶺)に向かって高度を上げていくと、背後に湖が見えました。これは前回来た時にはなかったので、最初自分の眼を疑いましたが、調べてみると1999年に上日川ダムが完成し、湖は大菩薩湖と命名されたことが判りました。

大菩薩湖
カラマツ尾根から見おろす大菩薩湖(上日川ダム)

 尾根最後の急登を終えると展望台でもある雷岩。あとは大した登りもなく大菩薩嶺に到着です。頂上には同じような標識が2本建っていました。樹林に囲まれて残念ながら眺望は得られません。

 山頂から雷岩に戻り、草原状の尾根を大菩薩峠方面に下ります。途中妙見ノ頭を巻き、江戸時代まで青梅街道の最大難所だった旧大菩薩峠(賽ノ河原)を通ります。
 大菩薩峠は視界が開けていて、山頂よりも解放感があります。

大菩薩峠

 峠から上日川峠に戻って帰宅の途につきました。
 今回はトレーニングとして軽すぎた感がありますが、幌尻岳までの間に、奥白根山(日光白根山)と磐梯山にも登りました。

大菩薩今昔物語

 最初に登った1976年と今回登った2019年の間の変化について、上日川ダムの完成を挙げました。
 これは揚水式発電用ダムですので、夏の電力不足問題に貢献していますね。ダムの堤頂標高が1486mで日本第3位の高所ダムです。ちなみに、
 第1位は南相木ダム(奥三川湖)堤頂標高1532m
 第2位は野反ダム(野反湖)堤頂標高1517mです。

 もう一つの変化は、大菩薩への玄関口でもある旧初鹿野駅が、甲斐大和駅という名前に変わっていたことです。
 これは1903年の開業時に駅の所在地だった初鹿野村が1941年に大和村に合併改変されていたので、その52年後の1993年に大和を含む駅名に改称されたものです。それも束の間、2005年には大和村は甲州市に合併改変されました。
 氷川駅が奥多摩駅に改名された経緯も同様なのですが、由緒ある名前を変えないでほしいというのが私の想いです。

(1976年11月登頂)
(2019年8月再登頂)

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