低山ハイキング 日和田山(埼玉県)

エベレスト登山家田部井淳子さんのトレーニング場

日和田山からエベレスト
故田部井淳子氏を讃えるレリーフ

 埼玉県日高市にある日和田山。登山口には女性としてエベレストに初登頂した(故)田部井淳子さん(1939-2016年)を讃える「日和田山からエベレストまで」というレリーフがあります。
 レリーフの解説文によると、日和田山は田部井さんが若い頃、登山訓練を積んだ山だそうです。世界最高峰8848mのエベレスト登頂に向けて、谷川岳や穂高岳の登攀がメインメニューであったと推測しますが、標高わずか305mのこの山でトレーニングを積んだことは、何事においても基礎や基本が大切であることを語っているように思えます。

 登山口には民間の駐車場があり、備え付けの封筒に車のナンバーを記載して料金300円(彼岸花の見頃の時期は500円)を同封のうえスリットのある壺に投函するシステムです。無人なので釣銭のいらないよう準備していく必要があります。

巾着田
二の鳥居から見おろす巾着田

 出発してほどなく一の鳥居に到着です。ここで男坂と女坂とに道が分かれます。男坂は岩の露出した急な登り、女坂は傾斜の比較的緩い道です。急な登山道は下りに使うと弾みがついて危険が増すため、登りに男坂、下りに女坂を通るよう奨めるアドバイスが案内看板にありました。

 男坂の急な登りも長くはなく、女坂と合流して二の鳥居に着きます。視界が効く日は、ここから巾着田を俯瞰することができます。空気の澄んだ晴れの日は、富士山の雄姿を望むことができます。
 二の鳥居から山頂までも、それほどの距離ではありません。山頂では平日にもかかわらず20人程度の人が休憩をとっていて、賑やかでした。

 登山地図の標準コースタイムは、日和田山まで登り40分、下り30分となっています。
 多くの登山者に親しまれているため土が踏み固められているので、道が濡れている場合は滑りやすく、慎重に歩くのがよいでしょう。

(2022年11月上旬訪問)

巾着田

 巾着田(きんちゃくだ)とは珍しい地名ですが、奥武蔵の苅場坂峠付近に源を発する高麗川が蛇行して、その内側に巾着型の土地ができたものです。

巾着田から日和田山
巾着田から見上げる日和田山

 彼岸花(曼珠沙華)の開花期に多くの人が訪れることで有名な場所ですが、日和田山二の鳥居から見下ろすと、名前の由来に合点することができます。
 巾着田は約500万本ともいわれる彼岸花が咲き誇る日本最大級の群生地です。一面が真っ赤に染まり、見事の一言に尽きます。上流側から咲き始めるので、クライマックスを過ぎたと思っても下流側の遅咲きエリアに行くと楽しめる可能性があります。

 こんなにたくさんの彼岸花が咲くようになった理由が不思議ですが、「ひだか巾着田公式ホームページ」によると、「河川の増水時に上流から球根が流れてきて漂着し根付いたと考えるのが妥当」とのことです。大自然の力は偉大です。

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