#89座目 九重山
ミヤマキリシマの九重山 おすすめ
私がまだ齢20代の頃、芹洋子さんの歌う「坊ガツル賛歌」がヒットしました。これまで歌で聞いて知っていたにすぎない九重に登る日がやっと来ました。
歌に出てくる坊ガツルや大船山にも登りたかったのですが、日程の都合で牧ノ戸峠から中岳と久住山を往復することになりました。
やまなみハイウェイの牧ノ戸峠からコンクリートの登山道に入り歩き始めます。久住分れには避難小屋がありましたが、中が水たまりになっていて、緊急避難用という感じです。中岳と久住山のうち、まず九州本土最高点である中岳(標高1791m)に先に登ることにしました。中岳直下の御池を目指し、ここから中岳に到着。360度の展望を満喫しました。
一度鞍部に下りて今度は久住山に登り返しました。
このあたりは登山路がいくつもあり、霧の日などは迷いやすいと思います。そのような時は磁石で方角を確かめながら地図を見て慎重に行動しましょう。
読みは同じで漢字では九重山と久住山という二つの表記があるのは分かりにくいですが、九重は山群の総称として、久住は主峰の名称として使われています。使い分けの由来については、深田久弥の原著をご覧ください。
久住山から降りた鞍部から先は、往路を戻りました。
ミヤマキリシマツツジは、私の辿った登山コースから見た範囲のみでの話になりますが、この山が一番見事でした。あたかも山の斜面に花の絨毯を敷いたようでした(一番見事な場所で撮った写真はパッとしないので没になりました)。
ミヤマキリシマは、火山活動で植物の生態系が壊された後、火山灰土壌に強い品種として先に繁るので、火山の山である霧島山と九重山では見事な群落が見られました。葉が小さく花がたくさん付くので、花を敷き詰めたように見えます(ちなみに阿蘇山は秋に登ったので6月の状況がわかりません)。ずっと先の話ですが、森林が形成されると衰退の運命をたどると言われています。
九重山を計画する場合は、ぜひミヤマキリシマの時期をお奨めします。
(2019年6月登頂)