#81座目 聖岳
日本アルプス最南の3千メートル峰
2016年8月、聖岳と光岳をまとめて登りましたが、今回は前半戦の聖岳について記します。
南アルプス南部は一般的に静岡県側から入るため、なじみが薄く、最後まで残ってしまいました。
聖岳と光岳は、直線距離的には、長野県側の易老渡から回るのが近いように見えますが、易老渡へ入る林道の崩落が激しく危険が伴うとの情報から、オーソドックスに畑薙ダム側から入ることにしました。公共交通機関を利用する登山者向けに、夏のシーズンに静岡駅から畑薙第一ダムまで、直通バスが運行されていました。
東名自動車道から静岡方面は地理的に不案内なので、前日のうちに静岡まで入りビジネスホテルに泊まりました。
入山1日目は、静岡市内から畑薙第一ダムまで距離にして約80kmあるため早朝に出発。井川ダムまでの途中、狭い道が長く続きます。ここをバスが通るのかと思うくらいです。畑薙第一ダム近くの夏期臨時駐車場に車をとめ、東海フォレストの登山バスに乗って聖沢登山口で降り、ここから聖平小屋をめざして歩き始めました。この日は登山地図の標準コースタイムで6時間強、ひたすら登りに徹するような一日でした。
聖平小屋に着くと、ウェルカムフルーツポンチのサービスがあり、うれしくいただきました。
2日目は、まずサブザックに必要な物を詰めて聖岳への往復です。小屋のすぐ上から縦走路に入り、尾根伝いに森林限界を越えて聖岳に向かいます。頂上直下はザレ場で歩きにくいのですが、荷物が軽いのが救いです。聖岳は日本アルプスの3000m峰としては最南の山です。山頂からは360度の展望を満喫しました。
山頂から聖平小屋に戻り、カレーライスで腹ごしらえをし、茶臼小屋に向けて出発です。
聖平から中間点となる南岳まで標準コースタイム約2時間、そこから茶臼小屋まで上河内岳の肩を越えて標準約2時間の行程です。
聖岳から望む富士山
富士山は、お鉢(火口部)のほぼ両端に三角点の設置されたピークがある形状をしています。
すなわち、お鉢の南側に日本最高地点の剣が峰(標高3776m)、ほぼ北端に白山岳(標高3756m)があります。聖岳周辺から見ると、この両ピークがお鉢の両端に鬼の角のように見えるのですが、私はこのシルエットが大好きです。
光岳は、富士山よりも緯度がわずか低くなる(南寄りになる)ため、両ピークがお鉢の両端から若干ずれて見えるようになります。
(2016年8月上旬登頂)