#82座目 光岳
トリカブトに注意
2016年8月、南アルプスの聖岳と光岳をまとめて登りました。今回は後半戦の光岳についてです。
入山1日目は聖沢登山口から聖平小屋まで、2日目は、聖岳ピストンのあと荷物をまとめて茶臼小屋までの行程でした。
入山3日目は光岳めざして出発。茶臼岳、希望峰、易老岳とピークをいくつも越えていきますが、森林限界より標高が低いため、展望はあまり得られません。
易老岳からは易老渡へ降りる道があり、光岳へはこのルートの方が近いのですが、易老渡へ入る林道の崩落が激しく危険が伴うとの情報から、畑薙ダムからの周遊ルートを選択しました。
易老岳を出発すると、三吉平に一度下り、静高平に登り返します。いきなり現れたトリカブトの大群落にびっくりしました。毒草なので要注意です。
光小屋には午前中に到着しました。明日は畑薙ダムまでの長い行程が待っているので、午後は光岳へ往復の後のんびり暇を楽しみました。
トリカブト保険金殺人事件
トリカブトには、アコニチンという毒があり、この毒を用いた保険金目的の殺害事件が過去に起こっています。1980年代に沖縄県で、1990年代に埼玉県で起きた事件は、いずれも複数人を殺害した連続殺人事件です。
また、食用植物であるニリンソウと似ているため、誤食による中毒が多く発生しており、注意が必要です。
富士山
入山4日目、朝焼けの富士山を拝むことができました
富士山は、山頂のお鉢(火口部)の両端それぞれにピークがある形状をしています。
すなわち、お鉢のほぼ南端近くに日本最高地点の剣が峰(3776m)、ほぼ北端に白山岳(3756m)があります。赤石岳や聖岳から望む、両ピークがお鉢の両端に鬼の角のように見えるシルエットが大好きです。光岳は富士山よりも緯度がわずかに低い(若干南側に位置する)ため、角(つの)が端から少し外れて見えます。
今日は光小屋を出発し、畑薙ダムを目指して長距離の下山です。
前半の約5時間は、昨日との重複部分で結構長いのに閉口します。
茶臼小屋でチャーハンをいただき腹ごしらえをして、横窪沢を黙々と下ります。
最後の方にヤレヤレ峠という地名がありましたが、光岳から下りてくると本当にヤレヤレです。
畑薙ダムまで10時間超の行程でした。
(2016年8月上旬登頂)