#75座目 白山
太鼓の音で目覚めご来光を仰ぐ
石川県へ鉄道で行く場合、関東地方からは大きく迂回するので移動時間が長く、どうアプローチすべきか考えているうちに遅くなってしまいました。
白山を訪れるきっかけを作ってくれたのは、2015年春の北陸新幹線金沢開業です。
入山前日は、新幹線で金沢入りしてレンタカーを借り宿にチェックインするだけでよいのですが、せっかく金沢に行くのなら兼六園も見たいので、昼頃金沢に到着しました。
兼六園は、後楽園・偕楽園とともに日本三名園と呼ばれるだけあって、見どころが多く寄った価値がありました。
入山1日目、金沢市内から登山口のある別当出合まで70km以上あり、結構時間がかかりました。昨日兼六園を省略してこの辺りまで駒を進めて宿泊するべきだったかもしれません。
登りは観光新道を選びました。すごく暑い日で、途中で熱中症ぽくなってしまい、殿が池避難小屋で少々休みました。元気を取り戻して再スタート、黒ボコ岩を経由して室堂センターに到着です。収容力の大きな小屋で、この山の人気を物語っています。
入山2日目、この小屋では、ご来光を拝めそうな朝は、大太鼓が鳴り渡り登頂を促してくれます。登山者だけでなく神職も登ります。室堂から御前峰までヘッドランプの灯りが連なっていました。山頂に着くと、東側斜面の岩に多くの登山者が腰かけて日の出時刻を待ち、いよいよ日が昇ると、神職のリードで万歳三唱、そのあと神殿に移動して祝詞奏上となります。
私はじめ殆どの登山者はこのような展開になるとは知らずに登ってきていると思いますが、祝詞奏上が終わるまで皆一体となって動いているのは、ご来光の神々しさと祝詞の響きが心に浸みていくからでしょうか。
山頂から直接お池めぐりコースを回りました。早朝の斜めの光線が差し込み、幻想的な時間帯でした。多くの高山植物を愛でることもできました。
下山はエコーラインから砂防新道のコースをたどります。エコーラインからは南竜ヶ馬場の斜面が絵になっていました。砂防新道に途中から合流し別当出合に戻りました。
今回の周遊コースはおすすめだと思います。ただし白山は標高2700mを超える、日本アルプスに準ずる高山ですので、備えをして臨みましょう。
(2015年8月上旬登頂)