鬼無里のモリアオガエル

ミズバショウの翌月はモリアオガエル

 2022年5月に鬼無里・奥裾花自然園を訪れ水芭蕉の大群落に感激した私は、その時のパンフレットに翌月はモリアオガエル(森青蛙)の産卵期とあったのを思い出し、6月下旬の平日、また鬼無里にやって来ました。

 モリアオガエルが樹上に産卵することは、NHKの自然番組を視て知っていたのですが、そのロケ地が記憶によると東北地方の森吉山だったと思います。関東甲信越にも繁殖地があると知り、ここなら見に行けると思い計画しました。

 自然園の2.3km手前に駐車場があり、ここに車をとめました。ここから先一般車両は通行できません。
 駐車場から少し登った所にある料金所で入園料200円を支払ってスタート(ミズバショウの時期の入園料は410円)。

 自然園エリアの一番手前にあるのがひょうたん池、近づくにつれカエルの鳴き声が聞こえてきます。
 池の周りの樹木の枝先に泡につつまれた白い卵塊がいくつもぶら下がっていました。人の拳よりも一回りから二周りも大きなサイズです。まるで果実が生っているように見えます。

frog eggs
モリアオガエルの卵塊

 続いて今池湿原を一周しましたが、ここではモリアオガエルの卵を見つけることはできませんでした。こうみ平湿原に歩を進めるも同様の状況、さらに最奥の吉池に行くと、多くの卵塊を発見しました。池の反対側にトチノキの大木があり、樹上かなり高い位置にも卵塊がぶら下がっています。近づけないので高さは判りませんが、料金所でいただいたパンフレットによると20mくらいとのことです。 

 ここまで観察してきて気づいたことは、人の歩ける場所からすぐ近くには卵が産みつけられていないことです。
 間近に見ることができたのは、駐車場から自然園に向かう道路脇の側溝に産み付けられたものでした。成体のカエルがいましたが、近づくと隅っこに隠れてしまいました。警戒心の高さをうかがわせます。

 料金所から出発して戻るまでの2時間、平日ということもあり誰にも会いませんでした。水芭蕉の方がモリアオガエルより遥かに人気があるようです。

 鬼無里の魅力は、水芭蕉・クロサンショウウオ・モリアオガエルといった自然の動植物だけでなく、伝説の里でもあることです。鬼のいない里という名前の由来について、私が下手に解説するよりもリンク先を読んでいただく方がよくわかると思います。⇒鬼無里の名前の由来はこちらをクリック